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2010.08.30 Monday
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「会える/会えない」「君」と「僕」 AKBの歌詞の世界
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AKB48のベスト盤「神曲たち」を聴いていて、
これはむしろ「マゾ曲たち」だと思った。
たとえば、「Baby! Baby!Baby!」I love you!
Baby! Baby! Baby!!
微笑んでくれ
僕を虜にした唇
君を独占させてよ
せめて 夢の中で
あるいは、「大声ダイヤモンド」絶対に 君を 絶対に
しあわせにしてみせる
聞いて欲しいんだ
大声ダイヤモンド
「君のことが好きだから」君のことを思う度
僕は神に感謝してるよ
振り向いてくれるのは 永遠の先
君のことが好きだから
僕はいつもここにいるよ
人混みに紛れて
気づかなくてもいい
君のことが好きだから
君と会えたそのことだけで
暖かい気持ちで
いっぱいになる
ほかにも、「遠距離ポスター」の
“遠距離ポスター/近くにいるのに/君は切ないほど/手が届かない”
などなど、例をあげればきりがない。
これらの歌詞はすべて、
「僕」から「君」へ、
すなわち「ファン」から「AKB」へ
の気持ちを綴ったものになっている。
つまり、
アイドルがファンの気持ちを
先取りして歌っているのである。
しかも、“せめて 夢の中で”とか
“振り向いてくれるのは永遠の先”とか。
どんだけマゾプレイを強いてくるんだ秋元康は。
しかし、これはアイドルの楽曲としては
ある意味とても正しい歌詞なのかもしれない。
「遠距離ポスター」で歌われるように、
アイドルは本来“手が届かない”もの。
AKBはもともと「会いに行けるアイドル」が売りだが、
だからこそ、歌詞の中で「君」と「僕」の距離
を繰り返し繰り返し再確認させることで、
ファンのアイドルに対するモラルを
刷り込んでいるのではないだろうか。
こうした歌詞の傾向は、つんく♂Pのモー娘。では
あまりみられなかったので、どうも気になった。
おニャン子メンバーと結婚した秋元康にいわれたくねえよ
という意見ももっともではあるが……
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