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2008.05.31 Saturday
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ロリコン紳士の倫理観
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今期は「紅」に「二十面相の娘」に「絶対可憐チルドレン」と、ロリコン紳士向けのアニメが三本も用意されているわけですが、真九郎や二十面相のおじさんや皆本がことさらに倫理的であるのは、紫やチコやチルドレンたちが「性の対象にはならない(してはならない)」存在であることから生じる不可侵性を遵守している(しなくてはならない)ことと無縁ではないと思う。
そもそも二十面相は「カリオストロの城」のラストでクラリスを連れて行ってしまったバージョンのルパンだし、「絶対可憐チルドレン」はキャラたちの名前が源氏物語からとられているところからもわかるように、ロリコンのそしりをまぬがれないことに対して非常に自覚的である。「紅」でもロリコンのダークサイドを紫の兄である竜士がすべて引き受けてくれているため、真九郎は迷うことなくロリコンのライトサイドを突き進むことができる。
そもそも「紅」においては、真九郎と紫の関係はほとんど恋人どうしといっても過言ではないほど親密だし、またそうでなくてはこの作品は成り立たない。しかし、ふたりがキス以上の一線を越えることはぜったいありえず、真紅郎はひたすら朴念仁に描かれている。でも、それではやはり作品自体がキレイゴトで終わってしまうため、竜士のような悪役が必要となる。「絶対可憐チルドレン」において、皆本の敵対者として兵部が必要であるのと同じように。
たぶん、このような純粋無垢な幼女をモチベーションとして悪と戦うというスタンスが、ヲタク男子のひとつのヒロイズムなんだろうけど、それはやっぱりどこか歪んでいて、その歪みに自覚的だからこそ、よりいっそう倫理的であろうとしている…という奇妙なストイックさを感じてしまう。「GUNSLINGER GIRL」のよくないところは、その歪みに作者が自覚的ではない(少なくとも作品を読む限りそう見えてしまう)点かもしれない。
そういえば、ルルーシュもナナリーのために戦っているんでしたね。まあ、ナナリーの場合は妹ですが。インセストタブーが存在するぶんだけ、彼は上級ロリコン紳士といえるかもしれないw
ロリコン・シスコン・マザコンの三重苦を背負ったかの赤い彗星はまったく倫理的ではなかったけどなあ…。ああ、だから仮面かぶってるのか(暗黒面の象徴的な意味で)
※追記:そういやルルーシュ(ゼロ)も仮面かぶってるや。じゃあ、赤い人と黒い人は仮性紳士ってことで。
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2008.05.29 Thursday
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「RD 潜脳調査室」の
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「久島×波留」本が読みてぇ…
久島が全身義体化した本当の理由を考え出すと夜も眠れません><
ハルマリさんの事故に責任を感じて、自らの「時」を止めたのだろうか…
なんにせよ久島は身勝手かつ不器用な男に違いないのだが、なぜか憎めない
ところがある。たぶんハルマリさんもそういう気持ちだからこそ、
組んでいられたんだろう。しかし、ハルマリさんが事故から目覚めて以降の
久島のハルマリさんとの距離感はすごく切ないものがある…
久島はハルマリさんの事故の負い目もあり、自分がハルマリさんの
「相棒(バディ)」になることはもはやできないと考えている。
しかしいろんな意味で彼にはハルマリさんが必要なのだ。
だから川澄綾子ボイスの介助用アンドロイドまで用意する厚遇ぶりで
彼を迎え入れようとする…。不器用すぎるよ、久島;;
バディはムチムチ女子高生(にゃもたん萌え)に取られちゃうし。
本当は自分がいちばんそばにいたいだろうに…(ぇ
なるほど、そこで、そんな久島を慰めようとソウタが(以下自粛)
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2008.05.28 Wednesday
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復興期の精神 (講談社文芸文庫 はB 14)
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戦後一年あまりに刊行され、「復興期の精神」と銘打っておきながら、
とりあげられているのはダンテ、ポー、アンデルセン、ゲーテetc...
しかも、どれもレトリックにあふれ、10〜20ページに短くまとめられている。
解説にもあるとおり、すごく「フシギな本」です。
確かにレトリックに彩られてはいるけど、
皮肉や洒脱な言い回し、逆説の裏には、
強固なまでの花田イズムの熱い血がたぎってきるため、
これくらいの短さのほうがかえってちょうどいいのかもしれません。
「良心派は捕縛されたが、私は完全に無視された。
いまとなっては、殉教者面できないのが残念でたまらない。
思うに、いささかたくみにレトリックを使いすぎたのである」
とうそぶくさまは、隠者の風格たっぷりです。
なんとなく、いまという時代は、この本に書かれている
「転形期」にあるような気がします。そういった意味でも、
読みごたえのある一冊です。ちょっと高いけど、
これが文庫で読めるのは、やっぱりしあわせなことじゃないかと。
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2008.05.27 Tuesday
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マイルーム拡張☆
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ありのまま(略)
あんまり楽しすぎるんで、
ついもう一個買ってしまいました。
後悔は…していない。
家具はRE-MENTの「いちごちゃん家へようこそ」を
使っています。うちの長門さんはおとめちっく。
軍曹は優雅にファーストを鑑賞中。
もとの画面がえらいファンシーだったので、
雑誌を切り貼りしてカスタマイズしてみました。
図工(プラモをのぞく)とかひさしぶりにやったよ…
壁がさみしいからこんどはポスターとか貼りたいなあ。
まずは自分の部屋どうにかしろよって話ですがorz
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2008.05.26 Monday
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ケロロ軍曹 Chibicケロロマイルーム
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アキバで見かけてつい衝動買いしてしまいました。
これは楽しい!
さすがケロロ。お子様からお父さんまで、
あらゆるターゲットをズキュンと撃ち抜く
お楽しみ要素がつまっています。
壁にどんなポスターはろうかなー、とか、
ほかにどんな家具置こうかなー、とか、
さっそく夢と物欲が広がりんぐです。
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2008.05.26 Monday
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乱歩と二人の女
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乱歩作品に胎内回帰願望がひそんでいるというのは、よく指摘されることだけど、最近短編をまとめて読み返してみて、じつはその「母」というモチーフの鏡像のようにもうひとりの女が隠れていることに気がついた。
それは「妻」というモチーフだ。
たとえば「お勢登場」という短編は、子どもとかくれんぼしていて、長持(衣類などを入れる、長方形の蓋つきの大きな箱)に隠れたまま、掛け金がかかって出られなくなった男を、妻がいちどはそれに気づきながらも、知らんぷりして殺してしまうという怖ろしい話。
あるいは「人でなしの恋」。これは、夫が夜な夜な土蔵で人形を愛でていることに気づいた妻が、その人形を壊してしまい、夫がそれに絶望して自殺してしまう話。
この両者に共通するのは、夫が妻に罰せられ、胎内回帰したまま死ぬという構図になっているという点。「お勢登場」では夫は長持のなかで死ぬし、「人でなしの恋」では土蔵のなかで死ぬ。
「芋虫」にしてもそう。戦争で両手両足を失った夫が、妻との関係に苦しんで、最終的に古井戸まで這って身投げする。芋虫、つまり幼虫にたとえられる男が、まるで産道を逆行するように古井戸に落ちて死ぬというところが、じつに意味深。
この、夫が妻に罰せられ、胎内回帰したまま死ぬという構図を意識して読み返してみると、ガラリと印象が変わってくる作品がある。「鏡地獄」という短編だ。これは、鏡の魔力にとり憑かれた男が、内部を鏡張りにした球体のなかに入り、そこで「われわれには、夢想することも許されぬ、恐怖と戦慄の人外鏡」を見、発狂して死んでしまうという話。これには、
彼はその後、狂ったままこの世を去ってしまいましたので、事の真相を確かむべきよすがとてもありませんが、でも、少なくとも私だけは、彼は鏡の玉の内部を冒したばっかりに、ついにその身を亡ぼしたのだという想像を、今に至るまでも捨て兼ねているのであります。
というもっともらしい締めの文句が付されているのだが、こうして胎内回帰したまま死ぬ男の陰には、やはり「妻」の存在が見え隠れしている。
そのうちに、鏡の部屋へはいるのは、彼一人だけではないことがわかってきました。その彼のほかの人間というのは、彼のお気に入りの小間使いでもあり、同時に彼の恋人でもあったところの、当時十八歳の美しい娘でした。
彼女は、男が鏡の玉に入った時点では「今では奥様と呼ばれている彼の愛人の小間使い」へとひそかに昇格している。
もうおわかりですね。これは明らかに死亡フラグです。
彼女の唯一のセリフは以下のようなもの。
「一体どうしたというのです」
私はかの小間使いをとらえて、先ずこう尋ねるほかありませんでした。
「さっぱりわかりませんの。なんだか中にいるのは旦那様ではないかと思うのですけれど、こんな大きな玉がいつの間にできたのか、思いもかけぬことですし、それに手をつけようにも、気味がわるくて……さっきから何度も呼んでみたのですけれど、中から妙な笑い声しか戻ってこないのですもの」
この「なんだか中にいるのは旦那様ではないかと思うのですけれど」なんて、冷静に考えてみると白々しいことこの上ない。鏡地獄よりも、この女のほうがよっぽど怖ろしく思えてくる。
しかし、彼女たち「妻」は怖ろしい反面、魅力的でもある。事実、「お勢登場」のお勢は、あの名探偵・明智小五郎と対決する予定さえあったらしい。
若し作者の気持が許すならば、この物語を一つの序曲として、他日明智小五郎対北村お勢の、世にも奇怪なる闘争譚を、諸君にお目にかけることが出来るかも知れないことを申し加えて置きましょうか。
けっきょくこの対決は実現しなかったけど、のちに書かれた「黒蜥蜴」や「化人幻戯」にその構想は受け継がれているのかもしれない。
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2008.05.26 Monday
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押絵と旅する男
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きょう本屋に行ったら、
新装版の乱歩の「人間椅子」が目に留まった。
こんな表紙です。
角川ホラー文庫で乱歩の短編集というと、
以前は「江戸川乱歩怪奇幻想傑作選」と銘打って出てたから、
装丁や収録作品を変えての再登場ってことになります。
乱歩ブームのきざしかな? ちょっとうれしい。
それにしても…田島昭宇か…
それ「帝都物語」のときやったじゃん、
って気がしないでもないが…
マガマガしさという点でも、
若干、春陽堂版に押されてるような。(コレ↓)
集英社の「人間失格」×小畑健先生ほどの
インパクトも正直ないかなあ。(コレ↓)
変態猟奇絵師ならもっとほかにいると思われ。
丸尾末広はベタすぎるとしても、
沙村広明とか大越孝太郎とか会田誠とか。
沙村版「人でなしの恋」とか、
大越版「押絵と旅する男」とか、
会田版「芋虫」とか、見てみたいなー。
いち本ヲタの勝手な妄想ですが…
でも、こうやって表紙を変えて読者が増えるのは、
古参のファンとしてもよろこばしいです。
いいぞもっとやれ。
実際、「人間失格」はそこそこ売れてるというし。
ちなみに、初心者におれがオススメの乱歩本は、
ちくま文庫から出てるコレ↓
表紙もキュートかつ乱歩チックで、
タイトルどおり乱歩の短篇のうち、推理モノ以外を
ほぼ網羅できるという贅沢すぎる一冊。
これで1,200円は格安だろjk。
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2008.05.24 Saturday
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Think Blue, Count Two
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TYPE-MOONの新作「Girls'Work」のコピーは
「こころに青を しるべと踊れ」らしい。
コードウェイナー・スミスですね。わかります。
(「青をこころに、一、二と数えよ」
『第81Q戦争―人類補完機構』所収)
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2008.05.24 Saturday
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黒水村 (一迅社文庫 く 1-1)
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作者の黒史郎(くろ・しろう)氏は
「『幽』怪談文学賞」の大賞受賞者らしいです。
本作ももちろんホラーなのですが、
途中で「クト○ルーっぽいなー」と思っていたら、
案の定「叡煩之書」なるものが登場して確信にかわりました。
「のぐろみかん」は「ネ○ロノミコン」かな?
和製ホラーでク○ゥルーというと、小林泰三を連想しますが、
実際そういうのが好きなひとには特にオススメです。
ところで、一迅社文庫は「エロ禁止」という規定があるらしい
ですが、ホントなんだろうか。
ホントなら、安易な萌えエロ路線じゃない、
新しいなにかが生まれてくれるかも。期待。
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