「好きだの嫌いだの、最初にそう言い出したのは誰なんだろうね。」
(159ページより)
ときメモかよwww
というわけで、円城塔の「Self-Reference ENGINE」に続き、
ハヤカワSFシリーズ Jコレクション、伊藤計劃の「虐殺器官」です。
あとイニシャルDネタとかもあるけど、中身はいたってハードでシリアス。
9・11以降、先進国の人々はIDタグによって管理されていた。
いっぽう、発展途上国のあいだで内戦や民族虐殺が激増。
その黒幕と目されるのは、謎のアメリカ人「ジョン・ポール」。
アメリカ情報軍のシェパード大尉は彼の影を追うが…
果たしてジョン・ポールの目的とは?
彼が操る「虐殺器官」とは一体?
みたいな内容なんですが、「ことば」がテーマになっているために、
けっこうメタっぽいというか、説教くさいというか。
しかし、この徹頭徹尾救いのないエピローグはなかなか良いですね。
ジョン・ポールの真の目的にもおどろかされたし、
それを知ったあと、主人公(シェパード)が取った行動がこれまた圧巻。
ネタバレになるのであまりくわしくは書けないけど、
読み終わったあと、
しょせんこの世は弱肉強食
志々雄真実はじまったな
と思いましたとさ。
「決断主義」だかなんだか知らんけど、
そんなものは、とっくの昔に志々雄様が通った道なんだぜ。
…と、このままいくと、本書の内容と関係なく
「るろ剣」の話をしてしまいそうなので、このへんで自重。
ゲーム理論つながりで「ライアーゲーム」なんかと絡めて語るのも
おもしろいかもしれないけど、そういうめんどくさいことは他人まかせ(ぉ